[TSDE] TRPGシナリオ作成大全vol.9 先行プチレビュー(2)

というわけで『TRPGシナリオ作成大全vol.9』プチレビュー2回目です。

冬コミまでに終わらせたかったんですが、どうにも体調が優れず。面目ない。

……さて、気を取り直して今回のお品書きは

  1. 古めかしい、謎解きシナリオの作り方
  2. 拠点防衛型シナリオ
  3. 抽象化によるシナリオ構築

以上の三記事です。

古めかしい、謎解きシナリオの作り方

執筆者はsim氏。大全の常連寄稿者さんですね。今回もコミPo!による4コマ漫画あります。

(概要)

謎解きシナリオというと「脳内当てゲーム」などと揶揄されるけど、それでも GM がそう振る舞ってしまうのは

GM の脳内をPL に当てられるとGM がとても気持ちいい!

☆「『謎解き』こそ、TRPG における真のコミュニケ−ションである!」

――という大胆な本音の下、謎解き感(謎を解いた際のカタルシス)をどうやって生み出すか? そのためにはどんな導線を引けばよいのか? といった辺りにスポットを当てたシナリオ作りの方法論です。

真相とは、わかって欲しい真実なのです。

☆「謎は解けなければ意味がない」

ということで、一部の不得手な GM がやるような PL への無茶振りを推奨しているわけではありません。要注意。

(こんな人にオススメ)

序文でも書かれていますが CoC のシナリオ作りたい方にオススメ。逆に『インセイン』のシナリオに応用するには、ロジックにいくつか追加する必要があるように思います。(これは両システムの世界観において媒体ごとの保有情報と危険の比重が異なるため)

それから基本構造を――

1) 導入
2) 調査等
3) 謎が解ける(山場1)
4) 解けた謎に対処する(山場2)
5) エピローグ

――として山場1で謎解きゲームの好きな人、山場2でバトルアクションの好きな人に、それぞれ見せ場を用意しているので、一つのシナリオでターゲットユーザのレンジを広めに取りたい方にもオススメ。

(自分ならどう使うか)

懇切丁寧に謎解きシナリオの構造から運用まで丁寧にまとめられているので、傍らに置くテクストとして、またペアメイキングの際にチェッカーとしても使えると思います。

クリティカル情報と NPC の配置などを見ても、軸足を物語の妥当性 1)Believabilityに置きつつ、メタの抜け道を用意してある辺り、自分にとっては恐ろしく飲み込みやすいテキストです(笑)

あと、最後にまとまってるチャート群がとても嬉しかったり。

拠点防衛型シナリオ

執筆者は大全シリーズ編集長である氷川 霧霞氏。もう紹介するまでもないよね(笑)

(概要)

「拠点防衛型シナリオ」という、ちょっとマイナーどころのシナリオ設計について、大枠で構造の整理をしています。

拠点防衛型シナリオというのは

一定の条件を満たすまで対象(場所や人物など)を守り通すことをパーティの目的とするシナリオ

典型的な例としては、「辺境の砦を援軍が到着する7 日後までの間、魔女とゴブリンの軍勢から守り通す」といったシナリオになります。

(こんな人にオススメ)

セッション通して戦闘シナリオがやりたい方。資源管理系と戦闘系の両方に面白いギミックのあるゲームシステムで、そのスペックをフル活用してブン回して遊ぶのに適したシナリオ構造なので。

特にマップを使って遊ぶ系の、ミニチュアゲームに半分足突っ込んでるようなゲームシステムでやると、冷たい炎が立ち上る鉄火場になります(笑)

長所だけでなく短所もあるので、その辺も踏まえながらどうやって構築していくのか、何を考えておくべきか、のあたりが押さえてありますので、チェックシートとしても良いのではないかと。

(自分ならどう使うか)

マイナーって書かれちゃってて、実際商業シナリオなどでも滅多に見なかったりしますが、自分はキャンペーンゲームではわりとよく使ったりしています。 2)ずいぶんと前ですが「七人の侍」がやりたいとかでちょっと触れてます。

デジタルゲームで一時期流行ったタワーディフェンスの (T)RPG 版と言うか、動的なビルド要素を組み込むと、煩雑になりますが好きな人には堪らんシナリオになりますので(笑)

抽象化によるシナリオ構築

執筆者は引き続きの氷川 霧霞氏。今回は Twitter でのアンケート結果からのお話です。

(概要)

Twitter 上でのアンケートの結果、約半数の人がシナリオ作成の難所に「アイディアはあるけどシナリオにまとめられない」を選択していたことを受けて、何故上手くまとまらないのか、またその回避策としての「抽象化」という手法について解説しています。

ざっくり言葉を置き換えれば、換骨奪胎の方法論ということになるでしょうか。

記事内にもありますが、『TRPGシナリオ作成大全vol.4』の事「オブジェクト指向シナリオ設計」と併せて読むと、より理解が深まると言うか実用しやすくなるかと思います。

(こんな人にオススメ)

要点を絞り込んでいく手法のため、自問自答を繰り返す必要があります。なので嗜好を煮詰めることに抵抗のない方に。

自分の「好き!」を大切にしたい方、そこからシナリオを組み立てていきたい方には特にオススメの手法です。

それから起点となった「アイディアはあるけどまとめられない」という方は、冒頭から4ページ分、なぜうまくまとめられないのか、のあたりを読んでおくと、視点が変わって上手くいくようになるかもしれません。

(自分ならどう使うか)

ペアメイキングの際に使える手法だと思います。ただし不要な要素の切り捨ては、他人に指摘されることで却って意固地になってしまうケースも少なくないので、その辺は慎重に進めなきゃならんわけですが。

次回は

というわけで今回はここまで。

次回は

  • 柔軟なシナリオができるまで
  • 団子魔(だんごま:ダンゴーマニュアル)
  • ハック&スラッシュで手軽にTRPG 作成

以上の三記事についてレビューします。

References   [ + ]

1. Believability
2. ずいぶんと前ですが「七人の侍」がやりたいとかでちょっと触れてます。

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