『へうげもの』と『ヴィンランド・サガ』の最新刊を読んだわけです。
それから『大砲とスタンプ』、『靴ずれ戦線』も読んだんですが、こっちのコメントはまた後日。
……他にもたくさん読んでるんだけど、どれ書いてないのか覚えてないのでゴメンナサイ。
ということで、ネタバレしないように感想。
へうげもの 14服
まず、へうげもの。
えーと……だいぶシリアス展開です。
前巻(13服)の次巻予告も例によってハッチャケテたので「どんだけとんでもない関ヶ原が来るの!?」とドキドキしてたんですが、そういう意味では肩透かしを食らった感じ。
織部が「へうげもの」としてひとつの完成を見、また乙なる緑釉の域にもたどり着いたわけだけど、物語は既に織部のへうげ数寄だけじゃない「さまざまな数寄の形」へとシフトしてるんですよね。
そういう意味では「斜めに見なければ分からない」という乙な数寄を練り込んだ物語になっていってる気もします。
この「斜めに見る」という方法は、時間をかけて醸成されたモノが必要になるわけですが、今後この勢いが加速していくなら「へうげもの」は恐ろしくマニアックな、すげぇ細かいところを笑い合うようなギャグになるのかもしれません。
普通に「おもしろ大河」的な表層に隠されそうだけど。
だからって普通に読んで面白くないわけでは当然無く。
今巻に登場した数寄の形。
- 徳川家康―ウィリアム・アダムス(新教)
- 上田重安(碧石の石蜷)
- 石田正澄(「へのよ」とした花入)
- 小堀作介―金森重近(……おかま?)
- 大谷吉継(面白い死・へそ曲がり)
- 毛利輝元(萩焼)
- 佐竹義重(妙なる南蛮の音曲)
- おくに(男姿)
- 徳川秀忠―結城秀康(結城紬)
まあ「数寄」というか「価値観」になっちゃってますが。
とりあえず喋りたいことっちゅーか、喋ったら納得されたこと書いとこう。
まあ笑いを説明するってのも興ざめなんだけど。
自分が一番爆笑したのは「抱かぬ 挿入れぬ 気をやらぬ!」のコマ。
キーは「挿入れぬ」ね。
それまでのコマで散々強調されてるし、更にその前に「抱かぬ」とか言ってる時点で内容は分かるし、普通に「入れぬ」で良さそうなもんなのに、わざわざ「挿入れぬ」にして「い」のルビ振ってる辺りの、家康の過剰な気負いを想像するとね(笑)
しかもコレを血走った三白眼で、怒張も隠さず「貴殿も男ならこの大事さがわかろう」とか、そのセリフのコマが山に白雲だったり、これでもかと強調してて。
そんなに大事かよ! と(笑)
そんな感じで家康が面白いんだけど、ここまで無双されると判官贔屓で三成に肩入れしたくなっちゃうよねー。
この後の歴史を知ってると特に。
やっぱ織部好きだし。
ヴィンランド・サガ (11)
ついにハッキリと動き出した物語!
奴隷編になってから動きがえらいモッサリしていて、なんら関係なさそうな、もう終わったはずのクヌート殿下の話とかやってて「後始末かなー」と思ってたら! たら!
これ……ネタバレしないように書くのムリじゃね?
えーと……えーと……
ムリ! 降参!
……ということで、「とにかくスゲー面白かった!」ということをお伝えしてですね。
どれくらい面白かったかというと、えー……仕事場で休憩中に読んでたんですが、意表を突かれたり上手いなーと思ったりしたシーンで「おぉー!」と声をあげてたら(声に出ちゃう人です)、隣でずーっと待ってた進行の子に気付かないくらい没頭していたり、読み終わって「あ、ごめん」って謝ったらすげービクビクされたりしました。
あと、仕事中にコッソリ読んでたら、知らんうちに声を出しててバレました(笑)