さて、今回は起承転結の「承」です。
ここは「プレイヤーに考えさせるパート」です。
ページの内容
「承」のイベント
起承転結の承、つまりシナリオの進展に対して PC がどのように関わるのか。
(1)でも書いたとおり、ここには≪鍵≫≪扉≫≪分岐≫≪補給≫≪罠≫が有ります。
「承」のイベントは連続性を持たせず、個々のつながりについては漠然と想像させるだけにした方が、プレーの自由度が保証されて楽しめるかと思います。断続的なイベント群によって未消化の不快感を演出し、「結」の≪真相≫によって全てを連結させ、スッキリさせるのが典型的な用法です。
おさらい
前回までの話の中で、特に「承」に関する部分だけ抽出しておきます。
【起承転結における「承」】
- 承 : 物語の中盤。起と転をつなぐブリッジ。
【ダンジョンにおける「承」】
- 承 : ダンジョンの探索。≪分岐≫や≪罠≫で PC を惑わせる。
【「承」のイベント傾向】
- 承 : ≪鍵≫≪扉≫≪分岐≫≪補給≫≪罠≫
イベント : ≪鍵≫
≪鍵≫とは、シナリオの状況を改善する情報にまつわるイベントのことです。
このイベントでは「≪扉≫に対する≪鍵≫の情報または物品」を登場させます。
≪鍵≫に含まれる情報
- ≪鍵≫の情報 : ≪鍵≫そのものに関する情報。
- ≪扉≫の情報 : その≪鍵≫によって開かれる≪扉≫の情報。
≪鍵≫の例
- 情報 : ≪目的≫達成のために必要な情報。
- 異なる視点 : PC とは異なる視点からの情報。
- 鍵/合言葉 : アイテムや情報によって≪扉≫を開ける。
- 証拠品/真相 : 謎解き系によく登場する≪鍵≫の一種。
イベント : ≪扉≫
≪扉≫とはシナリオの進展を阻害し、状況を硬直化させるイベントのことです。
このイベントでは「≪鍵≫の使用によるシナリオの進展」を判定します。
≪扉≫に含まれる情報
- 必要な≪鍵≫ : その≪扉≫を開けるのに必要な≪鍵≫の情報。
- 閉鎖中の状況 : ≪扉≫が閉じていることで生じる状況。
- 解放後の状況 : ≪扉≫が開かれることで生じる状況。
≪扉≫の例
- 隠し事 : 聞き出すために≪鍵≫が必要な、ある隠し事。
- 空間的な扉 : 単純に空間を閉ざしている扉。≪鍵≫で開く。
- 時間的な扉 : 時間によって≪鍵≫がかけられた扉。一定の時間が過ぎることで開かれたり、ある特定の時間帯のみ開かれたりする。
イベント : ≪分岐≫
≪分岐≫とは、シナリオの展開が分かれるイベントのことです。
このイベントでは「次に起きるイベントをスイッチ」します。
≪分岐≫に含まれる情報
- 分岐の選択肢 : 選べる分岐の数と、それぞれの分岐の情報。
- 選択後の予告 : それぞれの選択肢を選んだ後のイベント予告。
≪分岐≫の例
- 分かれ道 : 物理的な分かれ道。
- スイッチ : あるスイッチの ON/OFF を切り替える。
- 勢力 : 対立する幾つかの勢力のどれに加勢するか。
イベント : ≪補給≫
≪補給≫とは、ゲームのリソースを回復するイベントのことです。
このイベントでは「あるリソースの残量を増やして行動の幅を拡張」します。
≪補給≫に含まれる情報
- リソース残量 : 現段階のリソース量。
- 補給のリスク : リソースを補給することによるリスク。
≪補給≫の例
- 時間の延長 : 目的達成までの制限時間の拡張。
- HP/MPの回復 : 一般的なダメージの回復。休憩所、野営など。
- 金品の補充 : 金銭やアイテムを補充する。
イベント : ≪罠≫
≪罠≫とは、ゲームのリソースを PC から奪うイベントのことです。
このイベントでは「あるリソースを減らして状況を切迫させる演出」をします。
≪罠≫に含まれる情報
- リソース減少量 : どのリソースがどれだけ減るか。
- 回避の手段 : ≪罠≫を回避するための手段。判定方法など。
- 次イベント : ≪罠≫に陥った時に起こる次のイベント。
≪罠≫の例
- 時間の短縮 : 目的達成の制限時間の短縮。状況の急転など。
- HP/MPの消費 : 一般的なダメージ罠。雑魚敵との戦闘。
- 金品の喪失 : 金銭やアイテムを消費させる。