[ownWork] 「ヒロインのいる風景」について

 本エントリは、前エントリ「ヒロインのいる風景」についての追記エントリです。
 あのまま投げ捨てちゃおうかと思ってたんだけど、考えてみたらちゃんと作れば利用価値があることに気付いたので、とりあえず全ロットのガイダンスを作ることにしました。公開するかどうかは、身近なところで試験運用してみてからになりますが。

「ヒロインのいる風景」について・追記

「ヒロインのいる風景」のライセンス

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
シナリオフレームワーク「ヒロインのいる風景」 by 玄兎 is licensed under a Creative Commons 表示 – 継承 2.1 日本 License.
Based on a work at blog.talerpg.net.

「ヒロインのいる風景」とは

 「ヒロインのいる風景」は【PC がヒロインと出会い、ヒロインにまつわるトラブルと関わりながら、やがて訪れる災厄を解決する物語】といったストーリードラマ型シナリオを作るためのフレームワークです。
 ここで指すヒロインとは、「主人公の人間関係上のパートナーとなる配役」や「主人公が守るべき対象」といった広義のポジションになります。女性である必要はありません。また「守るべき対象」であるからといって弱者である必要もありません。実際、PC と同程度の能力を持ったヒロインでも普通に運用可能でした。*1[PCと同程度の能力を持ったヒロインでも] = といってヒロイン無双は単なる吟遊GMになっちゃうので、それはやめた方がいい。

 PC とヒロインの関係性や、ヒロインにまつわるトラブル(課題A)、後に訪れる災厄(課題B)、災厄とヒロインとの関係、そして PC とヒロインの物語の帰結など、設定によって記述できる物語にはそれなりのバリエーションが考えられます。それについては、本フレームワークを使用するデザイナーが自由に設定できます。

「ヒロインのいる風景」の設計コンセプト.A

 シナリオフレームワーク「ヒロインのいる風景」は、あくまでエンターテイメントを「提供する」ためのシナリオモデルです。そのためシナリオデザインで設定しておくべき要件が多く、またそれを正常に稼働させるには、ゲームマスターにセッションハンドリングに関する強い権限が必要になります。
 デザインコンセプト上、ゲームマスターを「ストーリーテラー(物語の表現者)」の役割に当てており、そのため「ロットの目的」にも「プレイヤーにどう感じ、どう考えさせるか」の指針を書いています。

「ヒロインのいる風景」の設計コンセプト.B

 また、意識して「ストーリーコンテンツを書く」ためのテンプレートとしても使用できるように設計しています。これは単にシナリオを書くだけではなく、実際にプレイしたセッションログ(議事録)を、リプレイやライブノベル(読物)に編集するとき、どのような基準で編集すればいいのか? 逆に類型の物語をどのように分解してシナリオにすればいいのか? ……そうした視点でシナリオを読むとき、資料として使用できるように。
 これは TRPG とは直接関係ある話ではありませんし、そのために TRPG のツールとしては焦点がボヤケてしまっているかもしれません。でもまあ昨今のストーリードラマ型 TRPG がユーザーに求めてるリテラシーについて、具体的なトレーニング用のテクストが足りないんじゃないかとか思ったので、トライしてみています。

運用上の注意

 適正システムは『アルシャードガイアRPG』、『エンゼルギア天使大戦TRPG The 2nd Edition』、『ダブルクロス The 3rd Edition』、『真・女神転生TRPG 魔都東京200X』あたりを想定しています。あるいは『トーキョーN◎VA』系あたりでもいけそうな気がします。
 また、それ以外にも(テストはしていませんが)戦闘やそれに類する強烈な(単独でゲームとして遊べる)ルールを搭載しているゲームシステムでなら、「フェイズプロセッション方式」や「シーン制」、「コネクション」といったフレームで運用すれば、たぶん意図した通りに動くんじゃないかと思います。

 ……とか、出来上がってもいないクセに、何を偉そうにって話ですが(笑)

References

References
1 [PCと同程度の能力を持ったヒロインでも] = といってヒロイン無双は単なる吟遊GMになっちゃうので、それはやめた方がいい。

「[ownWork] 「ヒロインのいる風景」について」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: [ownWork] 「ヒロインのいる風景」 « ペテン師の戯言。
  2. ピンバック: [ownWork] シナリオフレームワーク「ヒロインのいる風景」PDF « ペテン師の戯言。

コメントは受け付けていません。