[Manual] 箱庭世界の作り方

 前に友人に説明したら「めんどくさい」と放り投げられた話。

「ゲームのステージを毎度どうやって設計してんのか」

 自分の脳味噌の中で行われている処理を書き出してみたら、確かに面倒だったんで一度ボツにしたんですが、今書いてる話がどーもうまく整形できないので場つなぎに出しておきます。
 だいたい、読んで分かる人なら最初からやってるか、最初から投げてるんじゃねーのかとつっこまれるような話なんですがね(笑)

 箱庭シナリオを遊ぶときの、箱庭の作り方/ソード&ソーサリー編。
 ……といっても毎度世界から作ってるからなァ。
 これ説明するの難しいです。

箱庭世界の設計手順(我流)

【白地図】

 最初に設定するのが地理です。
 といっても国がどーの国境がどーのではなく、地質、気象、海流の三つ。

 最初に白地図を描きます。
 白地図ってのは陸地と水地の境界線に線を引いただけのものです。

 次に大雑把に山脈と河川と海溝描いて。
 そうすると気流と海流が大雑把に決まるでしょう。
 気流は山脈を迂廻するとか、海溝で海流が分断されるとか、大雑把でいい。
 起点が決まらなかったら、とりあえず西の隅っこから東に向かわせます。

 それからまた大雑把に森林と湿地を描いて、大まかな植生を決めます。
 湿地は形成条件がちょっと面倒なんで、森林だけでもいいです。
 野生動物の生息エリアが決まりますわな。
 河川と海溝と海流から、海の生態系も大体決まる。

 最初はそんだけです。

【文明地図】

 続いて地図上に人間たちの生息エリアを設定します。
 まず最初に狩猟/漁業に適したエリアを大雑把に見つけたら、適当にこの辺、と点を打つ。
 基本的には川沿いの、河川が合流したり分岐したりしてる付近がいいでしょう。
 そういう場所は、たいてい土地が肥沃ですんで食料にも困らない。
 大河の氾濫は恐ろしいので、逃げられる高台が近い方がいいです。
 そこが石器時代(TL/0)のコミューンです。

 次、植生と山脈から鉱脈を設定します。
 これもまあ大体こんなもんだろうで OK。
 その鉱脈に近いコミューンを、点から円に拡大します。
 円の外周付近は農業地帯になります。地質と輸送を考えましょう。
 河川の上流に鉱脈がある場合は、河川を輸送経路に使えるんでここも大きくする。
 波の穏やかな海域に面しているなら、海路も使えるんでそこも大きく。
 円がぶつかったところは適当に国境線を引いておく。
 はい、それが青銅器時代(TL/1)のコミューン(国家)です。

 次、大コミューン同士を、なるべく平野を通して線でつなぐ。
 それが街道です。
 街道の中継地点に町を作る。はい、それが宿場町ね。
 いくつかの宿場町を経て、適当に国境線を作る。これも大雑把でいい。
 そしたら国境線の上、大軍が通れそうな場所に点を打って。そこが砦になる。
 砦ができたら砦から少し離して大都市寄りの場所にも点と円。はい、穀倉地帯。
 穀倉地帯が作れなさそうなら、その砦までの輸送路を確保するか、砦は消しちゃう。
 この辺りから歴史の設定があったら反映していきます。
 まあこれで、鉄器時代(TL/2)の大まかな線引きはいいでしょう。

 ……とまあ、なんかこんな具合に積み上げていきます。
 (本当なら青銅器時代から街道、国境、宿場町、砦などの設定をするべきなんでしょうが、青銅器時代を遊ぶゲームは少ないので(知る限りでは『ルーンクエスト』だけ?)面倒なことは後回しにしています)

【コミューン】

 文化をゼロから構築する必要は、あんまり無いでしょう。大抵、公式設定があります。
 無かったり少なかったりしたら、地理面で類似する現実の国家から拝借しましょう。
 とりあえず気象が似通ってれば候補になります。植生も大事。(衣食に関係する)
 言語は大雑把に、熱い地域はおしゃべりで、寒い地域は口数少ないとか。
 生活に欠かせない家畜(犬、馬、牛、羊、ラクダ、象等)なんかも重要です。
 まあなんかそんな具合で文化を形成します。

 資源の有無で、文化は大きく異なります。
 その文化圏に金属資源があるなら、とりあえず武器は作れます。
 しかし食料は? 地理設定で農耕に適していなければ苦しくなる。

 食料事情が苦しい国家は、総じて戦争に秀でます。略奪するために。(でなければ滅びます)
 そして安定すると、軍隊は疎まれます。
 狩猟でまかなえる食糧には限界があり、軍隊を維持できるほどではありません。
 とりあえず労働力を資源として、どうにか賄うことを考えます。
 近隣の有力国家は彼らを奴隷として買いに来るでしょう。

 食料資源があり、鉱物資源に乏しい国は?
 隣国と同盟を結べば体勢を維持するでしょうが、いずれ併呑されます。
 そこで二つの国と同盟を結んでの二枚舌外交が生まれます。
 弁舌の才が官僚としての必須条件とされたらどうでしょう。
 活発な討論から文学的な文化になるかもしれません。

 あるいは特殊技術(たとえば魔法)に秀でた国、推奨される国なんてのもありえます。
 もうこの辺りまで来ると趣味の世界で、どういう文化が欲しいかから逆算するように文化を設定し、文化に必要な条件を付け加えていく(矛盾する場合は文化を再設定するか強弁できるだけの設定/法則を整える)、という作業になるでしょう。

 ……まあ、なんかそんな具合に設定していきます。

【歴史】

 ああ、もうこの辺はホント説明が難しい。
 とりあえず地理を見て、それぞれの国の生産性を理解すること。
 次に国の文化がどうなっていくかを考え、戦争による興亡を考えます。
 文化が戦争を回避するかもしれません。
 文化が戦争を引き起こすかもしれません。
 経済は基本的に、戦争の火種になります。
 それぞれの土地の人間が何を考え、どう暮らしているかからシミュレートしましょう。

 僕はコミュニティ(集団)の状態を、四季またはタロー(タロット)に分類します。この辺の話は随分と前に書いた「箱庭のコミュニティ・モデル」を参照してください。

 基本的にはコミュニティがどの季節に属しているかで方向性を決め、シミュレートの参考にします。

 ……と、だいたいこれくらいでベースフレームの設計は終わりです。
 あとは遊びたいゲーム、遊びたいキャンペーンにあった土地を選んで、細かい設定を積み上げていきます。
 その辺の話は、また思いついたら書きます(何)

「[Manual] 箱庭世界の作り方」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: ペテン師の戯言。

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