今日は一日ゲームに使うのです。ああ、なんという幸福。
それはそれとして、先日に続いて『鬼祭』作りながら「本を作る遊び」の実感メモ。あるいは与太話。
ページの内容
マジヤバい。
【なんちゃってルールブック作り(笑)】で書いたことだけど、勢いをつけるために少しずつでも形にして「見られるものにする」というのはホント大事。
で、まあそれを助けてくれてるのが自分の場合は PC なわけで。
今考えると自分の PC 選びは DTP が軸になっていて、それこそ元をたどったら「パソコン」より「ワープロ」が先だったんよね。ふるーい一行ワープロ(確か「書院」)でキャラクターシートとか作ってたの。それから父が職場で処分になった名機 PC-9801VM2 を持ってきて、一太郎でゲームブック書いたり花子でマップ描いたりしてて。
その後しばらく PC はゲーム機扱いだったんで PC98 ユーザだったんだけど、高校卒業してしばらく後、バイトで貯めた金で PowerMac 買って。その選考基準が “QuarkXPress” があったから*1一時期、印刷所の都合で EDICOLOR 使ってた頃もあったけど、これはほんとに短かったんで。。バイト先の人に「これからの時代は DTP だよー」ってめっちゃ煽られたってのもあるんだけどね(笑)
で、まあ “HYPERCARD” で簡単なソロアドベンチャー作ったり “PhotoShop” でコラージュしたり “Strata Studio Pro” で 3DCG レンダリングしたり*2レンダリングに一日半かけてチャチな平安京をモデリングしたりした “Director” で変なアニメーション作ったりしてて。で、またバイト先で今度は「”InDesign” 使えば Adobe のソフトとめっちゃ連動するぜぇ~」言ってきたのにやられた(笑)
この頃には Windows でも Adobe のソフトがまともに動くのが分かった*3以前は「Windows でデザインなんて狂気の沙汰」と言われてた。んで Windows も選択肢に入って。(そして価格競争の結果 Windows にシフトした)
とはいえ Adobe CS はお値段マジ洒落にならんので、買わなきゃいけないってワケでもない。普通に Word で DTP してる人もいるそうだし。
僕は仕事で必要になるからってんで(食費とか色々削りまくって)学生時分に買ったのが最初で、そして一度使い始めたらもう二度と手放せなくなってしまったというダケのこと。
Adobe CS ヤバい。
Adobe マジヤバい。
実感を作る
そんなわけで『鬼祭』も DTP するのも Adobe CS5.5 を使ってます。
今は CS5.5 どころかもっと新しいバージョンも出てて、そっちも魅力的な新機能が満載なんだけど、このバージョンが使い慣れてるってのもあるし、今のところ Epub3 作るわけでもないし……そもそも印刷に回すときは PDF にするわけだから、極論 CS1 とかでも(機能的な不満はあっても)基本的には問題ないんよね。
基本、スタンドアロンで使ってるし。
いやアタマが古いのかも知れんけど、クラウドとか別になァ……っていう。
表紙は Illustrator
立ち上げたら新規作成。新書判の大きさはまちまちだけど、ここはやっぱり王道の岩波新書判(h173×w105[mm])で。背表紙幅はひとまず 70 ページを想定して 3mm に。
まずは直線ツールで縦に貫く垂直線を一本。座標を一度 x0 に置いてから、横 173 移動。
同じ場所にもう一本作ってから、横 3 移動。
これをガイドに設定。
とりあえずこの白い画面に何を埋めようかなーと考える。ちょっとワクワク。
とりあえず背表紙は厚みが足りないので、文字入れずに矩形で赤く塗りつぶし。
次にアートボード全体(断ち切り 3mm 分も含めて)を矩形で塗りつぶし。何色にしようかしばらく悩んだんだけど、最終的にはコピーの「華の都の夜の闇」に沿うカタチで黒に。
重ね順を再背面にして背表紙の赤を上に持ってくる。お、ちょっとこの色、黒の狩衣に赤い袖くくりって感じが出てるような気がしない?
気に入ったので背表紙の赤矩形ともどもロック。
乗っける素材を配置。黒背景に合わせて何を入れ込むかでしばらく悩む。和柄のパターンで抜くことも考えたけど、あれ流行ったの江戸期だよなーと思って全ボツ。あれこれ考えた挙句に「まあ平安ちゅーたら藤のイメージだわな」ということで今のイメージに。ちょうど色みも合うし。ただ原版のサイズが合わないので幅に合わせて縮小してオブジェクトをフレーム合わせ。
裏表紙にもなんか入れよう。
で、文字入れ。「鬼祭」のタイトルはセンターに置くか右上か、左上か、それとも下か。適当に動かしながらイメージに合う部分を探して。色は白抜きにするか、黒のままで行くか。黒のままのほうがそれっぽいと思ったので、じゃあ縁取りにするか、座布団引くかで、まあ座布団でいいかなってことで矩形の座布団を敷いて重ね順をひとつ背面に送り。座布団は古書みたいに紙貼ったイメージなんで、最初は古紙風のベクター素材を探してネットで検索。で、あんまりいいのが見つからなかったんで、簡単にウォーターペーパーで加工かけて色味を調節。
ああそうだ、折角だからロゴ入れよう幻燈庵名義で。いつものドードー鳥+名義で、えーこれも座布団かな。でも書名と同じ座布団だと前後が分かりにくいし、ロゴは浮いちゃってもいいからな。さっきボツにした古紙素材を使おう。どれにするか。えー、じゃあコレで。
……とかまあそんな感じで、直感的にティンと来るまでグリグリ動かす。
イメージが固まってなかったりしても、作業しながら目で見ながらしてると、「こんな感じかなー」ってのが見えてくるんでソレまでグリグリ。
手抜きのわりにいい感じじゃなーい?!(ふンす)
まあ人に見てもらうなら幾つかパターン作ってみる(そこから選んでもらう)んだけど、自分一人で完結する場合はこんなもんです。
自分が満足すればヨシ!(笑)
目次のススメ
本文については当然 Adobe InDesign を使用。コレがなくては始まらない(苦笑)
といっても今回は読本のものを流用したので作業はだいぶ少ない。
でもテンプレート (.indt) が無かったらば、まずはテンプレート作りからやるのが上策。
本文の方は表紙に比べて淡白になってるけど、フォントひとつ選ぶだけでもグリグリやって楽しみました。読本は客観性重視で没入させない、突き放した硬さを重視して選んだけど、ゲームのルールブックとなると想像力を励起するために没入感とか先入観とかが必要になるんで、わりとアレコレ試したり。
あとアレね。アホなフォント選んで「ないわー」とか思うのも大事。「これじゃ◯◯だわー」みたいな。そういうイメージの蓄積がまた別にやりたいこととか想起してくれるんで。
マスターページ、段落スタイル、文字スタイルでは存分に悩むべし。最初にキッチリ悩んで、全体のイメージを作っていきます。マスターページとか本の構成そのものをどうするか決める要素なんで、表紙と同じくらい悩んで良し。(いや表紙で大して悩まなかったとかそういうのは置いといて)
んでまあテンプレートができたら、今度はそれを目次で考えた章立ての数だけ複製する。章番号を入れてわかりやすいファイル名にしておくこと。
次にそれぞれの .indd ファイルを、新しく作ったブックに追加登録しておいて。
ファイルごとに章番号に合わせた目次の項目をコピペ。各行ごとに段落スタイルを設定。
そこまで出来たら目次を入れるページを開いて[目次]コマンド。
目次スタイルを設定して[OK]で一丁上がり。
目次がちゃんと本の体裁に合わせて表示されると、それだけでテンション上がるから。
これマジオススメ(笑)