[chat] 20090731#12

バトンタッチ:玄兎→クジ
玄兎
「ああ、担当さんが到着したみたいですんで、迎えに行ってきます。今日はこの辺で」
ケイ
「ワークショップの話はもうちょい聞きたかったんだが」
玄兎
「ああ、じゃあ一緒にクジ君が来てますんで、彼に聞いてもらうってのは。どうせこっちの打ち合わせの間、クジ君には待っててもらわないとだし、その時間だけでも。まあ話してくれるかどうかはクジ君次第ですけど」
ケイ
「じゃあそれで。お膳立ては頼むな」
玄兎
「了解です」
ワークショップ:1回目
クジ
「ワークショップの話をすればいいんですよね? ちょうどアンケートの結果も持ってきてたんで」
ケイ
「おお」
玄兎
「さすがクジ君、抜かりがない。まあ、その報告は後で僕も見せてもらうけど、そっちで入用だったらオープンしちゃってもオッケーなんで」
クジ
「はい」
玄兎
「まあ、そういうわけで、よろしく。じゃまた後ほど」
ケイ
「よろしくお願いします」
クジ
「こちらこそ。どの辺から話しましょうか」
ケイ
「どうやって集められたか、あたりからお願いできますか」
クジ
「最初は、セッションが終わって感想戦をしてるときに、GMやってみたいけど自信がない人がいたんです。それで、みんな最初はそんなもんだからって言っても実感にはつながらないので、実際にみんなそんなものだって言うのを体感してもらおうって話になった。らしいです」
ケイ
「みんなで渡れば怖くない、の発想ですか」
クジ
「少年野球の指導と同じ感覚、だそうですよ」
ケイ
「そういう物言いは変わってねえんだなあ。失礼。それで、体験する場としてワークショップが開かれたわけですね?」
クジ
「前からシナリオのワークショップをやってた関係から、ゲームマスターのワークショップって形にしようということになったそうです。私のところには、ただ初心者さんだけでリレーマスターのセッションをやるからって電話があって」
ケイ
「クジさんは、GMの経験はあったんですか?」
クジ
「はい。『ソード・ワールド』でやったことがあったんですけど、もう5年くらい前のことでブランクがあったものですから、一度は断ったんですけど」
ケイ
「最終的には受けたんですか」
クジ
「ええ。シナリオの方のワークショップで、ゲームに出来そうなシナリオが思いついちゃって」
ケイ
「やってみたくなりましたか」
クジ
「なっちゃったんですよ。孔明の罠でした」
ケイ
「それで、最初のワークショップのときは、どんな編制で?」
クジ
「へんせい?」
ケイ
「すみません。参加者はどんな感じの人たちでしたか?」
クジ
「あ、編制ってそういう。最初は私と、玄兎さんと、例の初心者さん。それから、私と同じように呼ばれた人がもう1人と、きっかけになった人とは別の初心者さんが、3人で」
ケイ
「7人ですか。それは知り合い?」
クジ
「私の知り合いは玄兎さんともう1人だけで、あとは知らない方ばかりで」
ケイ
「じゃあ、ほとんどコンベンション状態ですか」
クジ
「でした。友達としか遊んだことがなかったんで、だいぶ緊張しました。他の人たちも似たような感じだったそうで、あ、これは毎回最後にとってたアンケートに書いてあったからなんですが」
ケイ
「毎回アンケートをとってたんですか?」
クジ
「はい。1回ごとに、最後にアンケートを書く時間があって」
ケイ
「ていうと、他にも決まっていたことってありましたか?」
クジ
「そうですね。毎回、基本的な流れは決まっていて、前回のアンケートのまとめ、体験することの話し合い、実際にやってみる、やってみた感想の意見交換をする、アンケートを書く、の順番で進行していました。あとは、マイクを使うこととか」
ケイ
「マイク? マイクって、あの、こういう?」
クジ
「たぶん、そのマイクです。発言するときはマイクを持っている人が優先で、マイクを使って話している間は、わりこみ禁止のルールで」
ケイ
「そのルールは誰が?」
クジ
「1回目の、最初のルール決めのときに」
ケイ
「ルール決めってのは、どういう?」
クジ
「どういうルールで進めるかを、最初に話し合ったんですよ。車座に座ることと、アンケートを取ることだけは、玄兎さんが決めてたんですが」
ケイ
「なるほど。他にルールはありました?」
クジ
「その辺のことはメモが。ええと、まずメタルールとして、毎回最初の話し合いでルールの調整をすること。その上で最終的に決められたルールは、話し合いで提案されたことは一つずつ検討すること。意見が平行線になったら、言葉を重ねる前に第三者に意見を求めること。誰かに意見を求める時は、答えを急かさないこと。なにかをやってみようという提案に、意味がないという反論は禁止。1時間ごとに休憩を挟む。以上の5つです」
ケイ
「ルールというよりマナーって感じ、ですね」
クジ
「そうですね。初対面の人が多かったのと、TRPGをやる場ですから、とにかく話し合いについてだけは決めておいた方がいいと意見が」
ケイ
「それは玄兎が?」
クジ
「いえ、話し合いの中で、初心者さんから」
ケイ
「初心者から出る意見じゃねえなあ。ああ、すみません」
クジ
「気にされないで大丈夫ですよ。私のこれは、地ですし」
ケイ
「ああ、じゃあ、まあときどき崩れるかもしれませんけど」
クジ
「わかりました。そうですね、さっきの初心者さんの話ですけど、演劇やってる方だそうで」
ケイ
「ああ、そっち方面の人材で。ゲームマスター向きの感じが」
クジ
「確かに、上手かったです」
ケイ
「そのルールを最後にまとめたのは?」
クジ
「それは玄兎さんが」
ケイ
「なるほどね。上手いことを考えたもんだ」
クジ
「上手いことを? どういうことです?」
ケイ
「そのルール自体が、あれがよく言うマスタリングの心得そっくりだと思いませんか」
クジ
「言われてみれば」
ケイ
「偶然かもしれませんが。ああそうだ。アンケートって、どんなので? 最初から用意されてたんでしょうか」
クジ
「用意はなかったと思います。アンケートの質問は、アンケートを書く前にやる意見交換のときに、1人1問ずつ提案していって、それを最後にまとめてアンケートに答える形で」
ケイ
「なるほど。徹底して参加を促していたんですね」
クジ
「教材は用意してたみたいですけど、没になったものも相当あったみたいですよ」
ケイ
「1回目から順番に、どんなことをやってました?」
クジ
「ええと、ちょっと待ってください。その辺もまとめがええと、1回目は最初のルール決定と、呼びかけのオリエンテーションと、リプレイ談義を」
ケイ
「呼びかけのオリエンテーションってのは、どういう?」
クジ
「後ろ向きに座った3人組の1人に、手を上げて、と呼びかけて、呼びかけた人だけが手を上げたら成功。他の人が手を上げたり、誰も手を上げなかったら失敗。そういう」
ケイ
「本格的にコミュニケーションスキルの訓練じゃねえか」
クジ
「自分で思ってるほど、自分の言葉は相手に伝わってないことを、やってみようと」
ケイ
「うちで社員研修したときもやらせてた。大変だったでしょ?」
クジ
「視線とか手の動きとか、どれだけ大事か実感しました。声だけで呼びかけるのは本当に大変」
ケイ
「たかだかゲームのワークショップでそこまでやるか」
クジ
「やった甲斐はあったと思いますよ」
ケイ
「実感するまで時間がかかりませんでした?」
クジ
「そうですね。意識してることに気付くまでは」
ケイ
「俺も前にやったことありますが。演劇のトレーニングだそうですよ、それ」
クジ
「だからですか。さっき話した、演劇出身の人はすぐにクリアして」
ケイ
「たぶん前にやってたんでしょう」
クジ
「なるほど」
ケイ
「その後がリプレイ談義ですか。それは?」
クジ
「リプレイから入った人が多かったそうで。それで好きなシーンとかキャラの話に。休憩時間に始まったんですけど、そのまま続いて」
ケイ
「あれ、最初はTRPGのセッションはやらなかったんですか?」
クジ
「やりませんでした。詐欺ですね」
ケイ
「詐欺だな」
クジ
「リプレイ談義が思ったより盛り上がったせいで、時間が足りなくなったそうなんですけど」
ケイ
「リプレイで意気投合したんですか」
クジ
「そんな感じでした。それで好きなリプレイの中から、やってみたいシチュエーションの話になって、それを次回やってみようということに、なりまして。どんなシステムで回してみるかの相談に」
ケイ
「どうなりました? やっぱり『ソード・ワールド』で?」
クジ
「2.0の方でしたけど。リプレイみんなで読んでいたのが、2.0だけでしたから」
ケイ
「それでアンケートをとって?」
クジ
「その前に感想戦をやってます。ひとりずつ寸評を言っていって。それから15分くらいでアンケートを書きました。あ、1回目のアンケートは玄兎さんが用意してきてました」
ケイ
「それで1回目は終了。クジさんの感想はどうでした?」
クジ
「孔明の罠だなと」
ケイ
「孔明でしたか」
クジ
「誘われた時はリレーマスターのセッションをやるって話だったんですよ。それが行ってみたらワークショップっていうのは。罠でしょう」
ケイ
「それは詐欺だ」
クジ
「ちくしょ~と思いました」
ケイ
「騙されたと」
クジ
「でも面白かったんで」
ケイ
「怒るに怒れない?」
クジ
「TRPGが遊べる環境から長いこと離れてたせいで、ゲームの話が出来る環境っていうのが、それだけで面白くて。しかもシナリオのワークショップよりフランクな空気だったから」
ケイ
「シナリオの方が硬い?」
クジ
「そちらはかなり専門的な話まで切り込むこともあって、プロの職業訓練に近い感覚だったと思います」
ケイ
「そっちは本職ですからね」

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