メモ書きです。
プレー環境次第ではありますが、個人的には重要な話だと思ってます。
でもどうなんだろう?
ゲームから想定外の出来事を排除したい人には、かえって害悪になる話なのかも。
『自由なセッションとシステム – xenothの日記』とか『一つのシステムを長く楽しむ方法 – Cats’ Lair』に関連するかな? しないかな?
ページの内容
リソース創造のススメ
リソースと言うと、HP とか MP とかヒーローポイントとか所持金とか、なんだかこう「システムで決められているもの」って印象があるかもしれんのですが、TRPG のセッションではシナリオで発生するものや、ゲームの状況次第で「プレイヤーの手でリソース化できるもの」ってのが、けっこうあると思うんですね。
例えば機密情報。
この場合、リソースは「機密情報そのもの」とも言えますし、「機密情報を保持している状況」とも考えられます。交渉のやり方や、極秘情報そのものの性質、そして実際の取扱次第でその辺は変化します。
リソースの見つけ方+
NPC の価値観あるいは欲求に指針が見えれば、この手のリソース(=交渉材料)を生み出すことは、さほど難しいことではなくなります。
「相手の望むこと」と「相手の嫌がること」が分かれば、それがリソースとして使えるわけですから。
そしてリソースを生み出してゲーム攻略のために使用できれば、シナリオデザイナーが予想だにしなかったゲームの展開を、プレイヤーの手で生み出すことも可能になります。
こうやってゲームにイレギュラーが発生することは「事故」なんだろうか?
ミニゲームのススメ
TRPG という遊びは、シナリオデザイナーが用意したシナリオ内の各イベント、それからシナリオ全体の目的を達成するだけのゲームではなくて、それぞれのプロセスで発生する「シナリオに書いていないようなミニゲーム」、NPC とのちょっとした会話から生まれる「解決しなくてもよいミニゲーム」、シナリオとは関係なく「PC に設定されたゲーム」など、挑戦できるゲームはたくさん潜んでいます。
そういう「シナリオに無いゲーム」に挑戦するときは、なにしろシナリオに用意されていないわけですから、リソースなんかもシステム準拠のものくらいしかありません。
そんなときは環境を見回して、なんてことないはずのモノに価値を見出し、リソース化する。
それが出来るとミニゲームの勝率が上がります。
ミニゲームを仕掛ける
で。
プレイヤーが気付いてミニゲームを開始するケースもありますが、同じようにゲームマスターがミニゲームを予め用意しておいて、「やってもいいし、やらなくてもいい」とプレイヤーに提案する方法も、もちろんあります。
僕はわりと「NPC のワガママ」という形でそれを提示しておいて、あとはプレイヤーが挑戦するか否か、自由に判断すればいい状態を仕掛けるのが好きで、よく使います。こうしたミニゲームの攻略度が、ゲームの「エンディングランク」に関係するようになってたり。
特にデッドリーな、ボードゲームライクな原始 TRPG は現在はあまり好かれず、とりあえずシナリオ自体はクリアできるものとして設計するのが主流になってますんで、こうしたミニゲームの重要性は、余計に増してるんじゃないかと思ったり。
ミニゲームでモチベーション管理
上記の通り、シナリオ自体はクリアできるものとして設計されているゲームの場合、「シナリオで予定されたゲーム」では、勝率がちゃんと計算されています。ストーリーの展開上、勝てないと困る部分ではちゃんと勝てるようにする、というのがまあ一般的なシナリオデザインでしょう。
そうするとまあ、それに対して「八百長じゃん」と興醒めしちゃう人や、「まあどうせ勝つんで」とか真剣味をなくしてしまう人、なんてのが発生するケースがあります。
これを予防するために「シナリオの構造や物語で楽しませる」とか「システムを拡張して楽しめる要素を増やす」というアプローチもあるわけですが、どっちも限界がある。
で、まあそのアプローチの手段として、「クリアできなくてもいいミニゲームを追加する」というものがあります。
シナリオ全体から見れば別にクリアする必要もないのですが、クリアできれば何らかのボーナスがある、というゲーム。
クリアできなくてもいいんですから、ゲームの難易度はピーキーにすることもできる。
「クリアできないかもしれない」という緊張感と、そうしたゲームをクリアしたという感動は、クリアできて当たり前のゲームをクリアしたときのそれと比べて段違いです。
シナリオ本筋を通してのプレー難易度をギリギリに調節できれば、それはとても素晴らしいことだし、プレイヤーにとっても達成感を実感できるものになるとは思います。が、そういうシナリオデザインをすること自体がギリギリの綱渡りで、相当難しいというのが実情です。ちょっとでも扱いを失敗すると、シナリオ本題をクリアできなくなってしまうわけですから。
あと、そうした「計算できるシナリオ」というのはシステム依存度が高くなりやすいため、ゲームがパターン化しやすい傾向もあるように思います。(この辺、単純な戦闘ゲームが嫌いなんでたぶん偏見も入ってますが)
だったらまだ、シナリオ本筋は難易度を低めにしておいて、独立した「クリアできなくてもいいミニゲーム」の方を難易度を高めに設定しておいた方が、プレイヤーに一定の達成感を保証しつつ、ゲームに挑戦するモチベーションを維持させやすいんじゃない? とか考えるわけです。
特にゲームマスターとしての腕前にあんまり自信のない人にとっては、無難に回せるんじゃないかとか。
そのためには、シナリオの構造をあまりガチガチにせず、またプレー時間に余裕のない濃密なシナリオを組み上げるのではなく、わりとスカスカで本筋自体はシンプルな構造の方が、ミニゲームに挑戦したり、諦めて本筋に戻ったり、って流れを作りやすくて便利だったりします。
……いや、別に僕がなんか複雑な構造のシナリオが作れない言い訳とか、そういうんじゃなくてですネ?(笑)
……いや、これはちょっと例としては極端でハードすぎるか。
子供の頼みは卑怯だわな(笑)
例:「村の平和と子供のお守り」
シナリオ本筋の目標は、とある死んだ英雄の遺産を盗んだ暴漢を討伐し、村を守ること。
で、ミニゲームとして死んだ英雄の遺族(子供)から「形見のお守りを取り戻して欲しい」と頼まれると。
その「形見のお守り」ってのが英雄の子供が折り紙で作ったお守りで、気を利かせたどこかの女司祭がそれに魔法をかけて本物のお守りになっている。
効果は、そいつを持ってると刃物で傷つかなくなる《防刃》の魔力。
ただし所詮は折り紙なんで、火に焼かれればアッサリ焼けるし魔力も失われる。
暴漢は、盗んだ英雄の装備を使ってるんで、もちろん身に着けて歩いてる。
暴漢を討伐するだけなら、《火球》の魔法でもぶつけて《防刃》を無効化すれば簡単なんだけど、それをやるとミニゲームはクリアできなくなる。
この際、子供には我慢してもらって本筋の達成を優先するか、ひどく苦労することになっても子供のお守りをちゃんと取り戻すための作戦を立てるか。
あなたなら、どうする?