実際にサークルで行っていた〈ゲーム編成〉カリキュラムについてご紹介。
例によって古手の技術ですが、新しい現場で見つけたゲーム仲間と話してたら「やんねーよ」と言われたり、そういやこういうの他所で見たことないなと今更ながらに気付いたりしたので。
ページの内容
はじめに
まず最初に、〈ゲーム編成〉カリキュラムの初歩はプレーログシート(プレー中の出来事をメモする記録用紙)を記録、提出させることから始めます。
ゲームマスターは提出されたプレーログシートの記録内容を採点して、ボーナスチケットを与えます。(ボーナスチケットは次以降のゲームで GM に渡すと「1レベル強化」「判定のやりなおし」「HPの全回復」などのボーナスがプレー中に受けられます。使用期限アリ)
最初のプレーログシートには「PC」「NPC」「キーワード」の 3項目しかありません。
カリキュラム用プレーログシート L1
(pdf file)
- PC
PC の名前、イメージ、その他のメモです。
慣れると書き込む内容が変わってきます。 - NPC
NPC の名前、イメージ、その他のメモです。
最初はえらいゴチャゴチャしますがどんどん端的になっていきます(笑) - キーワード
地名、アイテム名、モンスター名などのメモです。
最初はなんでも書きたがります(笑)
プレーログをつけることに慣れてきたら、「シナリオの目標」「ナイスプレー」「プレーミス」「ナイスリカバー」が追加されます。
カリキュラム用プレーログシート L2
(pdf file)
- シナリオの目標
シナリオ攻略のための目標です。
「敵を倒す」「薬草をとってくる」「姫を助ける」なんて感じですね。
欄を小さめにしたり字数制限をしたり、端的に書くよう誘導します。 - ナイスプレー
自分のプレーでこれは上手くできたと思うことについてです。
自分のプレーを客観的に評価するためのものですが、プレーミスを書くための誘導でもあります。(自分の長所だけ、短所だけを書くのは心理的に抵抗のある人が多いためです) - プレーミス
自分がミスをしたと思ったプレーについてです。
これは次の項目とワンセットです。 - ナイスリカバー
自分のミスをフォローしてくれた他プレイヤーの行動についてのメモです。
プレーミスとワンセットで効果があります。
リカバーが無かった場合、気付かなかった場合は記載されませんが、その場合は他の参加者との感想戦の材料になります。
それもクリアしたら、プレーログシートのカリキュラムは終了します。
(プレーログシートはフリースタイルに切り替えます)
フリースタイル・プレーログシート
(pdf file)
- GM
- シナリオタイトル
- 参加PC・登場NPC
- シナリオの目標
- プレーメモ
- 今回のナイスプレー
- 今回のナイスリカバー
- プレーした日付
キャラクターデザインシート
次に待っているのはキャラクターデザインシートです。
こちらの項目は、もはや説明の必要もないくらい直球です(笑)
カリキュラム用キャラクターデザインシート L1
- PCの性格
PCの性格的な特徴です。ロールプレイの指針になります。
プレー中やプレー後に指摘対象になりやすい項目でもあります。(重要) - PCの得意なこと
PCが得意としている行動です。
具体的な技能や特殊能力を書く人もいれば、大雑把なカテゴリを書く人もいます。 - PCの苦手なこと
PCが苦手としている行動です。
「得意なこと」と同じように、書式に個人差があります。
この辺はまあ、あんまりつまづく人もいないので、すぐに次の段階に移ります。
カリキュラム用キャラクターデザインシート L2
(pdf file)
- PCの目的
PCの最終目的です。プレイヤーの最終目的であることもあります。
高レベルになることだったり、物や環境を手に入れることだったり、さまざまです。 - PCの目標
目的のために到達しなければならない具体的な目標です。
「超えなければならない人物」や「為さなければならないこと」が該当します。 - PCの現在
現在のPCの状況と、目標との差について書きます。
「何が足りないのか」「どうしなければならないのか」等です。
以上で〈ゲーム編成〉の基礎カリキュラムは終了になります。
そしてこの段階で、ゲームを遊ぶときの秘訣として〈ゲーム編成〉の四項目(目的、ルール、課題、手段)が教えられます。
まとめ
このカリキュラムには、同時にプレイヤーとしての自分が持っているプレイヤースキルの確認が含まれています。自分ができること、できないことを判断し、得意分野を伸ばすか、不得意分野を埋めるかを考える。また実際のプレーでは、上手くできたことは自分であれ他人であれ素直に褒め、失敗に対してフォローされること、されないことがある現実を理解する。それによってプレイヤーとしてのスキル向上を企図しています。
〈ゲーム編成〉カリキュラムにせよ「プレイヤースキル」カリキュラムにせよ、どれだけ実効性があるのかは実のところ分かりません。各シートを上手く使えないと、(カウンセリングと同じように)却って逆効果になることもあります。
ああ、そうだ。
このシートですが、使用するときはルーキーを特別視しないように、プレイヤー全員が同じシートを使うことを前提にしています。また、ルーキーが来たときだけログシートを書け、というのではベテランへの心理的な負担になりますから、日頃からプレーログシートを書く習慣をつけておく必要があります。
〈ゲーム編成〉は自分でゲームを作り出し、自分でゲームの面白さを拡張する技術だと思ってます。(手前味噌ですが。ああ、でも教えてくれたのは J 姐であって僕じゃない。そして J 姐はカメさんから教わったらしい。あの人なんなんだ(汗))
自分に課題を与え、それをクリアできたかどうかで、GMの提示するままに(無為に)遊ぶより遥かに短期的な達成感を得ることができる。これはまあ、項目を設定してないだけで TRPG では誰もが無自覚にやってることだとは思うんですが、枠組みを作って具体化すると、より現実味が増して効果も大きくなるんじゃないかと。
ただし、やりすぎると人生踏み外す人間も必ず出てきます(笑)
(ゲーム業界に吶喊して死ぬ思いでゲーム作ってるとか(笑))
使用にはくれぐれもご注意を。
各シートを pdf 化したものを掲載。