[掌篇] 44 : ドレスと拳銃

「捜しました」
 廃線になった駅の、うら寂れた町。
「なんで追いまわす」
 差し向かう二筋の影。
「恋をしたから」
 野良犬たちの騒がしい野次。
「私は罪人です」
 タン
「だからこそ」
 埃まみれの囚人服に、小さく開いた丸い穴。

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