闇の中、汽車は巨獣に襲われていた。
逃げなければ。
「待て!」
車掌の制止を振り切って走った。
その先に、細い光に照らされた一匹の黒犬。
幼い頃、川に流された仔猫を助けた、愛犬が言う。
「帰ろう」
暗転。
嵐の晩、濁流から助かったのは一人。
雲間に射す、絹糸の月明かりに照らされて。
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○今回の反省
前々回あたりから、単なる続き物になっちゃいました(^^;
通して書いちゃったのがマズかったのかもしれません。
とにかく、掌篇としてコレではイカンだろうということで、考え中。
一本道の掌篇連作にすると、連作の方に意識が向いて、単話完結の縛りが緩んでしまう様子。
掌篇が大前提で、個々は緩やかに連結しているような形で考え直すべきかな。