[Review] 『TRPGシナリオ作成ガイド1 基礎編』を読んでみた
(T)RPG について書くのは相当お久しぶりな感じがあってアレですが。
先日、氷川霧霞氏から『TRPGシナリオ作成ガイド1 基礎編』の電書を読ませていただいたので、ちょっとそちらのレビューなんかをさせていただこうかなと思った次第。
ミッチリギチギチに高密度なものなので、何回かに分けて書いていきたいと思います。
気長にお付き合いいただければ幸い。
気になるよぅ! という方は手に入れていただいてご自身で確認されるのが一番手っ取り早いのでこれマジでオススメ(笑)
著者の氷川霧霞氏については、これまでの仕事、特に『TRPGシナリオ作成大全』シリーズの話が顕著かな。
(T)RPG系の同人市場って大きく分けて「ゲームシステム」「シナリオ」「ガイドブック」の3カテゴリになると思うんですが、ことゼロ年代以降の市場でガイドブックのカテゴリの賑わいを創出したのが『TRPGシナリオ作成大全』だったと思うんですよね。いわゆる合同誌の体で、当時の野良プロめいた人たちから諸々のテクニックを集めた形の同書は、それぞれの筆者のステップアップの舞台にもなったわけで。
さらっと書いちゃいましたけど、本当にすごい仕事でしたからね、アレ。
でまあ、そういう氷川氏自身による久々のガイドブックが本書ってわけです。
TRPGシナリオ作成ガイド
本書について
すごいですね。なんというか、非常に丁寧です。(著者の性格が透けて見える感覚(笑))
まず最初に、本書は著者の氷川霧霞氏の既刊『TRPGシナリオ作成大全 Vol.2』で同氏が書かれた記事の内容を、体系的に懇切丁寧にブラッシュアップしたものですよ。という話。
シナリオ作成の手順には色んなアプローチがあるわけですが。
起承転結にしろとか、序破急だとか、三幕構成でやれとか、戦闘3つ並べれば良いとか……かつて『ダンジョンシネマティーク』が書かれた頃から、あるいはそれ以前から映像的・戯曲的なストーリーラインを持ったゲームシナリオというのが界隈で主流とされてきていますし、それに合わせてゲームシステムも開発されてきた歴史がありますんで、ある程度は似通ったコアはあるんですよね。
「TRPGシナリオ作成のスタンダードとなりうるものと自負しております」と書かれていますけど、ホントにそういうものだと思いますコレ。
シナリオに対するスタンスについて
それから本書のターゲットについて。
なるべく汎用性の高いシナリオの作成方法についてアプローチしてみたけど、対応できていないものもあるよ。特に独特なゲームシステム固有のシナリオの作り方とかには対応してないからね! そこんとこ注意してね。
あとそれから、本書ではある程度決め打ちで「こう作る」としているけど、最終的には自分の作りやすいようにするのが一番だよ。こうしなければならない! という話じゃないからね。
……ざっくりこんな感じかしら。
実際、シナリオの作り方なんて人それぞれなんですよね。
それこそ三行メモでぶん回しちゃう剛の者もいましたし(笑)
自分も昔は5分10分で即興シナリオ用意してセッションやったりしていました。
……そういう遊びでクオリティを気にしてはいけません(笑)
本書で解説するシナリオ作成方法について
具体的には「旅路型」「探索型」「イベント型」のシナリオの作り方を解説するよ!
「ダンジョン型」が知りたい人は既刊『ダンジョンシナリオ作成講座』を参考にしてね!
「箱庭型」については続巻でね! ということに。
あ゛あ゛~ 箱庭型のガイドが読みたいんじゃあ~(笑)
用語集
続いて用語解説。こちらも短くまとまってますけど、その辺にこそ数十年の蓄積が見て取れます。
これまでの半世紀にも及ばんとする歴史の中、ホント用語解説には色んなアプローチがあって、まとめるの苦労するんですよ。(今、自分も再チャレンジしているところなもんで、サクっとまとめる難しさというのは身に沁みて分かっているつもり)
あとちょっと、これはツッコミというほどでもないんですが、氷川氏、時折『記者ハンドブック』準拠のカタカナ語表記と俗語表記との表記揺れがあったり(同ページ内だと「ゲームマスタ」と「キーパー」「ダンジョンマスター」とかですね)。そこで面食らう人もいるかもしれませんが細かいことは気にしないように。
本書独自の用語
で、用語解説の最後。本書独自の用語。ここがミソです。
先ほどちょろっと触れた「旅路型」「探索型」「イベント型」という【シナリオタイプ】の分類。内容については次の章で解説されるんですが、こうした分類を提案してるのがまず一点。
そして何より「体験」! これね。これ大事です超大事。
TRPGがどういう体験を創出しているのか? というのは非常に重要な論点で、そこからシナリオをデザインするってのは非常に重要なアプローチなわけです。(実際はこれにゲームシステムの解釈や運用論が加わって結実するモノだと思うんですが、本書はあくまでシナリオ作成ガイドということで)
シナリオ作成の概略図
そして最後にシナリオ作成の概略図。
ここで本書がどのようなプロセスでシナリオを作るのか、何について考えるのかの外枠が示されています。
こういうのホント上手いですよねえ氷川氏。
氷川氏といえば過去にゲームシナリオをUML(標準モデリング言語)で書けないかと模索されていたことも有ったり、何かと図示されるのが上手い印象があるんですけど、ここでもしっかり見せてくれてます。
……てなところで今回は冒頭「本書について」の内容についての感想でした。
勝手に書いちゃってるけど、いいのかしらコレ?
怒られたら消しますゴメンナサイ(笑)
