ちょっと間が開いちゃいましたが(ゴメンナサイ)『TRPGシナリオ作成大全 Vol.6』のプチレビュー三回目、さっそくやっていきたいと思います。
フォーマットは変わらず、以下の三項目でザックリと書いてみます。
- 概要
- こんな人にオススメ
- 自分ならどう使うか
今回、すんごいのが目白押しって感じなので、ガッツリ書き始めたら止まりそうにないなーというのがあるモンで。
ページの内容
おしながき!
第三回は以下の四記事について触れていきます。
- 五感連想による恐怖表現
- 脱出シナリオフレーム
- 実在の事件からシナリオを作成する
- CoCのハンドアウト作成
三本目と四本目の記事はこれ、連動してると思ったのでまとめてレビューいきます。
五感連想による恐怖表現
五感連想による恐怖表現。奇しくも恐怖の表現に関する記事が続いてるわけですが、こちらの記事の執筆者は黒兎そよさん。
同人で発言者をアイコンで表現するユニークなりプレイ本*1システムは『ゆうやけこやけ』と『アリアンロッド2E』や、ARA2Eベースのゲームブックを出してる方ですね……って紹介でイイのかな。
これまでに Vol.2 で「ダブルクロス 初心者シナリオ作成」、 Vol.4 で「ショートシナリオのススメ」「戦闘によらないシナリオ」も書かれてます。常連さんだ。
(概要)
で、本記事「五感連想による恐怖表現」ですが。
恐怖を演出するには段取りが欠かせません。
ということで、以下の順に「いかにして恐怖を表現するのか」を解説しています。
- ホラーは段取り
- 恐怖のための布石と言葉
- 五感によって連想できる恐怖
- 恐怖を伝達する装置
- まとめ
キーパリング術のようでもあり、でも予めシナリオ段階でこの辺の準備をしておくなら作成術でもあり。
特に3の「五感によって連想できる恐怖」は、意識的に使えるようになると有効なポイントをおさえてます。(逆にここを無意識にやっちゃって想定外なプレイングを誘発しちゃったキーパーもたくさんいると思います(笑))
(こんな人にオススメ)
こりゃもう、キーパー志望の「ホラーって言うけどプレイヤーを怖がらせるのなんて無理!」と思ってる方に。
それから多分に文芸的なアプローチですんで、リプレイやノベライズ等、「コンテンツを作りたいぞ」って人にもオススメです。
このあたり、やっぱり筆者の強みが遺憾なく発揮されているというか。
(自分ならどう使うか)
前述の「免責アプローチ~」では状況による分類だったのに対して、こちらは知覚による分類ということで、併用していきたいところ。
あとは4の「恐怖を伝達する装置」は自分の「キーパーリソース」の話ともリンクするので、その辺の説明をよりスマートにしていく感じで。
CoCに限らず五感情報は臨場感を増すためのフレーバーとして有用なモノなので、ちゃんと復習しておきませう。
脱出シナリオフレーム
執筆者は、ふたたび氷川霧霞さん。
こちらは Vol.4 で展開された「オブジェクト指向シナリオ設計」の実践編のような話です。攻めるなァ。
(概要)
脱出シナリオフレームというのは、その名の通り「脱出シナリオ」の「シナリオフレーム」ですね。
今回ご紹介する「脱出シナリオフレーム」は、突然神話生物に襲われることになったPCたちが必死の思いで安全地帯まで逃げるタイプのシナリオを作るための雛形です。
ということで、脱出シナリオを構成するために必要な要素を以下のとおりに整理し、オブジェクト指向の記法で整理しています。
- スクリプト(シナリオの流れ)
- 神話生物
- 神話生物の目撃者
- 脱出経路の設定
- 区画の設定
実にきめ細やかというか、丁寧だなァ。
(こんな人にオススメ)
まずは「どんなシナリオを作ろうか悩んでる」という方に。本記事で解説されている脱出シナリオの特性を読んで、興味が湧いたら一本作ってみると、色々納得できるんじゃないかと。
もちろん「脱出シナリオを作ってみたいけど、どうやって作ればいいのか」と足踏みしてる方にもオススメ。探索者が悲鳴をあげながら逃げまくるパニックホラー系とかいけます。*2ノリノリなプレイヤーを捕まえましょう(笑)
あとは「オブジェクト指向シナリオに興味はあるけどいまいち理解できてるか不安」という方にも。これは自分がそうだったので。
(自分ならどう使うか)
普通にそのまま脱出シナリオを作る際に使えると思います。
あとシナリオフレームをオブジェクト指向で丁寧に書くためのお手本ですね。今後の自分にとってはこっちのほうが重要かな?
以前、サイコロ・フィクションで桝田省治『鬼切り夜鳥子』を(T)RPG化して遊んでたんですが、ちょっとそんなのを思い出したりもしました。
実在の事件からシナリオを作成する
三本目。こちら執筆者はmasuさん。
Twitterの方ではアカウント名が「@Cthulhu_mania」だったり、また先日は「閉ざされた博物館」という、クトゥルフ神話をモチーフにした体験型謎解きイベントを実施されたそうです……体験型イベント!? 気合の入ったアイテム群の写真が気になります。
(概要)
実際にあった過去の事件を参考にシナリオを作る方法について、
- 資料作成が楽になる
- 技能ロールを使わせやすくなる
- シナリオが作りやすい
という三つの利点を挙げて、これを解説しています。
雰囲気を生み出すために用いられる「ハンドアウト(資料)」を使った古典的手法が念頭にあって、恐怖表現とはまた違った「CoCらしさ」に対するアプローチであります。
その後で「リジー・ボーデン事件」を例に、シナリオに落としこむための具体的なプロセスについて解説しています。
短い記事ながら「言われてみれば!」な話でした。
(こんな人にオススメ)
「リアリティのあるシナリオを作りたい/遊びたいんだけど……」という人には、正に「実際にあった事件だから」という強力なバックボーンが役立つんじゃないかと。
あとは従来のゲーム攻略型情報とは別のアプローチから、ゲームのシナリオとしてだけではない、CoCのシナリオに厚みを持たせたい人にとってもオススメ。
特にキャンペーンを組みたい人は、一読しておくと役に立ってくると思います。
(自分ならどう使うか)
実用記事ですんで、実際に実際の事件を使ってシナリオを組むことを考えてみるかな。
その際には、この次の「CoCのハンドアウト作成」と合わせて、「セッションをどう演出するのか」を妄想すると、楽しいんですよ。
CoCのハンドアウト作成
というわけで引き続いていっちゃいます。
こちらも執筆者はmasuさん。
(概要)
ハンドアウトと呼ばれるもののウチ、特に「臨場感を増すための演出用小道具」の作成について解説しています。
内容は以下の五項目。
- 手紙・日記の作成
- 顔写真の活用
- 小物の活用
- 新聞記事
- 写真
これらを活用してセッションをより臨場感あるものとして楽しくしようぜ! というお話ですね。
(こんな人にオススメ)
なんといっても「ハンドアウトを使ってセッションを格好良くしたいんだけど」という人にオススメ。
素材の探し方や、簡単な古びの技術なんかにも触れてますんで、その種のクラフトが好きな人には是非、読んでもらって作ってみてもらいたいところ。
小道具使いは五感のうち、(T)RPGという遊びの基本ルール内ではあまり活用されない「視覚」と「触覚」に訴えることができる技術ですんで、この辺使えるようになるともっと色々と広がりますよー
(自分ならどう使うか)
個人的にこういうの大好きなんですよ。なので本記事については自分で使うというより「だよねー」という感がすごかった。
ですから小道具作りを押し付けてくる連中に見せて「楽しいぞー」と言ってやろうかと思います(笑)
あと、前記事「実際の事件からシナリオを作成する」とリンクさせて「小道具」と「資料」の厚みを付けていくために、もう一度ちゃんと読んでみようかなと。
ってなところで
今回はここまで。
次回は
- クトゥルフとほのぼの
- 1/10 クトゥルフシナリオ概略
- ほのぼのCoC シナリオの作り方
の三記事についてレビューしていきたいと思います。
なんとマンガですよ!