[Comix][私信] エマ 10巻

 移動中、編成の子が『エマ』の10巻を買ってきたというので読ませてもらう。
 といっても時間がないので、10分で読めという。

な ま ご ろ し か

 いや、ストーリーは綺麗に終わっていて、最終ページ見たときは思わず涙も出たわけだけど。

ち ゃ ん と 読 ま せ ろ

早読みの脳内フィルター ~ マンガ描き中の某女史へ

 マンガというのはれっきとした活字物で、これが石ノ森風の“萬画”なんかだと文字も読まないと分からないんですが、ちゃんとマンガになっているものは、各エピソードの冒頭のテキストだけ読めばあとは画面を追うだけでストーリーを知ることが出来ます。

 たとえば小説でも、これまでの流れと作家の傾向が分かっていれば、文字を飛ばし読みすることで飛ばした区間にある文章を脳内補完することは可能です。いわゆる速読法ではない方法によって「本を読むのが早い人」は、たぶんそういう最適化がなされているか、脳内にフィルタリングソフトがインストール済み。
 漫画雑誌の編集者が、マンガのネーム(下書き以前のコマ割+ラフスケッチ)だけで筋が理解できるってのは、そういうフィルタリングソフトが脳内に入ってるからであって。

 だから10分で230ページを読めるんですが、それで分かるのは大筋の流れだけ。画面に、絵に託した情報量が多いほど、筋はより深く理解できるようにはなるんですが、それでもやっぱり限界はある。
 マンガってのは“画面”と“文字”とで作られていて、比重としては画面の方が重いんですが、それでもまあやっぱり文字がないと完全ではない。この辺は映画における“映像”と“音声”の関係とまったく同じで、映画でも音楽によって映像を際立たせている。それと同じこと。

あとは私信

 そういうわけで、文字読んでるヒマがなかったんで、まだまだ「ちゃんと読んだ」とは言えません。でもまあ読みたいと思わされる画面と筋だったんで、近いうちに通読します。
 えらそーなこと言うようだけど、本当に上手くなったねぇ、森女史。
 改めて、お疲れ様でした。