http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070901-00000917-san-soci
「読書感想文」から「自由研究」まで、夏休みの宿題を片づける「宿題代行業者」が登場し、賛否を呼んでいる。メールなどで届いた依頼に、アルバイトの学生らが有料で応える。多くの小中学校で夏休み最後となる今週末は“駆け込み客”が殺到しているというが、「家庭学習の習慣を身につけるという本来の趣旨に反している」と、教育関係者は批判的だ。
いやー、実に素晴らしい。
見たときゲラゲラ笑った。マジで。
どんだけアホなのかと。
コレの面白いところはさ、学業をマネーパワーで解決する(塾通い等で子供の学力を上げる)従来の教育方式を一歩進めて、学績をマネーパワーで解決してるところで。
教育ビジネスのパラダイムシフトなんじゃないのか、これって。
(最近「パラダイムシフト」がマイブーム(何))
依頼は主に親からで、「子供の宿題が期限に間に合わないから」という理由がほとんど。中には小学生本人から注文が来たこともあるという。メールやFAXで受けた依頼を、業者を介して登録学生に発注。高額バイトとして一部の学生に人気があり、中には月20万円以上稼ぐ学生もいるという。
突込みどころは沢山あるんだけど。
結局のところ、親は何がしたいんだろう?
子供がこっそり依頼するってのは、むしろ分かりやすい。誰だって面倒なことはしたくないから。その金が自分のポケットから出てるのなら(そして親に小遣いせびってないのなら)、それは自分でリスクを負ってるわけで……親は注意しなくちゃいかんけども、理解と共感はできる。
でもウチの子がやったら、小遣いは出来高払い(※)だけにしよう(笑)
しかし大半のオーダーが親からってのは、どんなもんかねぇ。
学校に子供の躾(しつけ)まで押し付けておきながら、その教育の邪魔してるのは自分らってコトですな。
なんて愉快。
学歴信仰が崩壊してから、社会に出てから学歴は関係ない……とは言うけどね。
学歴は関係ないんだ。
学績も、直接的な関係は無い。
ただ、複数のプロセスを順序立てて展開する論理的な思考方法をするための経験は、実は社会に出てから学ぶのはものすごく難しい。これは小中学校の段階で習得する。
そこで習得し損なうと、後で逆転するのはかなり難しくなる。
(不可能ではないにしろ)
論理的思考回路は、学校の成績とは直接結びつかないことは、結構多い。なにしろテストの設問として思考のプロセスを問うものはほとんど無いのだから、これは仕方がない。(教師が採点するの、難しいからね)
だから学校の成績が悪かった人が、社会に出て能力を発揮することは少なからずある。だけどその中で本当の天才、論理を飛躍した直感力だけでデータから得られる結論を導き出し、かつそれを周囲に納得させうるだけの能力を持ってる人間は、あんまりいない。
何故って、ソレをするにはデータの意味を理解する必要があり、それをするために必要なものが(凡人にとっては)論理的思考回路だから。
大事なのは、他人が納得する説明できるかということ。
自分が理解できても、他人をそれに合わせて動かせなければ、社会じゃよほどの豪腕でないと役には立たない。
真面目に勉強してなくても、とりあえず学校で授業くらいは嫌々でも聞いて、ノートも黒板丸写しでもいいから適当に取って、宿題なんか学校でヒマな授業の合間とか、友達のを写してもいいけど、とりあえず文調と語尾を変えるとか、検算くらいは自分でやる。それだけで全然違うモンです。
国語の完璧な回答は、文調を弄れないんで変えません。
数学の完璧な回答は、検算の要がないんでやりません。
子供だってバカじゃない。必要の無いことはしません。
文調を変えたり検算したりってのは、例えば恥をかきたくないからやるもので、完璧な回答であれば恥なんかかく心配もないんだから、そんなモン不要なのです。
恥の文化がみんな悪いわけじゃない。恥ずかしい、と思う感覚ってのは大事だよ。マイナスからのスタートだけど、羞恥心も無く他人からの評価を落とすより、よっぽどマシでしょ。(抜群無益と言うなら何も期待するな)
そういうコトを学ぶチャンスを、子供から根こそぎ奪う。
親は子供をどうしたい?
「宿題が終ってない? おめでとう」
「そりゃ大変だ。頑張りなさい」
「手伝ってくれ? バカ言っちゃいけない」
「夏休みの間ずっと遊び惚けてたんだろ? 自業自得じゃないか」
……と、子供を上から指差して笑ってやるくらいできないのか、親。
※出来高払い
学校でテストがある度、テストの答案用紙を持ってきて、問題と答えについて説明できれば小遣いを渡す方式。テストの結果はあんまり関係ない。ただしどういう考えで答えを出した/出そうとしたかをちゃんと説明できないとダメ。よって暗記問題だけの歴史のテストは、質問と回答に関連する時代背景を説明することで代用。
たまに僕の方が解法を忘れてたりするんで、なにげに僕の勉強になることもある(笑)