もはや電車で移動する余裕もない(歩く時間と電車待ちの時間がもったいない)ので、車(ワゴン)を出してもらって移動中も原稿を書く。普段なら移動中は景色だの人間だのを見ながら脳に刺激を与えて、新しいイメージを構築する時間。それを極力削っているので出力は備蓄を切り崩していくしかない。気付くとどこかで見たようなイメージになっている。良く言っても手癖の産物、悪く言うなら出がらしである。よろしくない。
車で打ち合わせのファミレスに到着する。しかし手がのってきたので降りて店内まで歩くのが嫌だった。そのまま後部座席シートをフラットにして寝転がってキー叩きまくる。いいかんじ。とりあえずこれが上がれば明後日の〆切まではクリアできる。まあ打ち合せ諸々もあるから休める時間は大差ないけど、気分的なものが違ってくるのでそのまま書き上げる。終わってから妙に揺れると思って顔を上げたら、担当さんが窓叩いてた。代わりに担当さん呼びに言ってくれたアシが飯食ってたので、担当さんが出てきてくれたらしい。何故だかえらく腰がひけていて、はて何でじゃろうと首をひねる。理由は後で分かった。
店内に移動。席について担当さんがメニュー見てる間に絵コンテを進める。担当さんが興味深げに覗き込んでいたので「自主制作映画です」とかアホなことを言ってみる。担当さん「先週末だったかケーブルテレビで『うる星やつら』の再放見まして。自主制作映画の話なんですけど」と乗ってきた。いや乗られても困るんだけどと思いつつも「パロディだらけのアレですか」と返すと、急に唸りだす。「あれ最後の山登ってくのが何のパロディなのか分からなかったんですけど」と言われても思い出せず、わからずじまいで終了。なんでしたっけ、アレ? 山脈は青いですか?(何)
ウェイトレスさんにオーダー。目が合った瞬間に逸らされた。まあ毎度のことさと強がりつつ、やっぱでも凹むでしょうと思いつつ、なんて失礼なと憤慨しつつ、ふと鏡面に映った自分の顔が目に入る。納得。凶相すぎる。寝不足だな。目の周りなんか隈取りされてら。さっき担当さんがビビってたのも、どうやら僕が無意識に睨んでた(疲れ目で焦点合わせようとしたから)らしい。別に怒ってるんじゃないんだ。機嫌もそんなに悪くないし。
どっちにしろ、こんな状態で外出るもんじゃない。打ち合せも終わったので即座に撤収、帰宅。帰るなり顔を合わせたカミさんに「一段落つくまで食事は部屋に運ぶから」と言われて弱ショック。まあ子供らに見せられた顔じゃないのは確かだ。早く片付けんとまともに子供の顔も見れんのだから、因果な商売だなあ。