[Manual] GM を操る PL

 ゲームをするとき、大抵は GM が PL を誘導するものです。
 ゲームによっては GM に該当するポジションを Director や StoryTaller などと呼ぶのは、要するにそういうことです。
 が。
 中には GM を誘導してゲームを有利に運ぶプレイヤーがいたりします。
 いくつかあるプレイヤースキルの一つで、他人のキャラクターを誘導して彼らの見せ場を演出するものと、ほぼ同格の優性スキル。試合巧者のスキルです。

といって、その方法は至って簡単なこと。

「希望する展開をそれとなく示唆する」

 という、それだけのことです。
 ただ、これをプレイヤーの素の発言としてやってしまうと、つまらん予定調和のようになってしまうのが難しいところ。キャラクター発言として水を向けるか、プレイヤー発言でやるにしてもキャラクターの行動指針に関する質問として出すのが上手いやり方でしょう。
 シンプルなそのスキルが、なんで優性かというのも単純で。

「GM が先々の展開を想定しやすくなる」

 という点に尽きます。
 プレイヤーの行動指針が分かれば、GM はその先の展開を想定しやすくなる。
 道理です。
 で、GM がそれを想定できるということは、キャラクターのアクションに対するリアクションを、進行しながら脳裏でまとめておくことが出来るということです。
 結果としてゲームはテンポ良く進むことになります。

 至って単純なスキルなのに、話を聞いてるとあんまり使ってる人がいないようなので。

 ちなみに『Aマホ』がゲーマー育成ツールとして有用だと思う理由の一つでもあります。ルールとして SD に様々な質問をし、また成功要素の提出時に個別要素の成功理由を説明する等のプロセスが、こうしたプレイヤースキルの訓練につながるんじゃないかと。