[掌篇] 38 : 鉄格子の嵌まった窓

「完全な密室だった」
 ちがう。
 あそこにも窓があった。
「鉄格子の嵌まった、な」
 そして人間は、わたししかいなかった。
「どうやって殺した!」
 あの時もそう、今みたいに満月が雲に隠れて。
 ぱたり。
 そう、貴方みたいに彼も動かなくなって。
 操り糸が、切れたみたいに。

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