[掌篇] 31 : ポーカーフェイス

 列車が止まったのは、暑い町だった。
“ようこそ、すべてが平等な町へ”
 そこはすべてが等しかった。
 言葉が、食べ物が、暮らしが、住む人が。
 そしてなにより表情が。
「誰もが等しく幸せです。さあ、貴方も」
 薄気味悪いその笑顔を恐れ、再び列車に飛び乗った。

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