[掌篇] 13 : ルームナンバー13

 旅に出たのは、寂しかったから。
 月明かりの寂しい町は、もう嫌だった。
 明るい太陽が欲しい。
 足が向いたのは、終電間際の駅。
 南へ行く寝台列車が待っていた。
 どこまで乗っても三千円。
 一室だけ空いていたので、飛び乗った。
 13号室。
 藁くずの中で、赤ん坊が泣いている。

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