[掌篇] 12 : 留守電メッセージ

 電話を切って、少ししてから後悔した。
 いつもなら、かけ直してきたのに。
 一晩中、眠れずに過ごした。
 朝日に照らされた世界が、汚く映った。
 綺麗な月夜を呼び戻すため、受話器を取る。
 長い十秒を静かに待った。
 ピーッ
「ごめん」
 初めて本心から、謝った。

お題提供ページ:小説書きさんに50のお題