■ＮＰＣのコントロール
ＮＰＣをどのように動かすのか。基本的なことはシナリオの段階で決められているだろう。基本的にはその通りにコントロールすればよい。しかしゲームの展開次第では、シナリオにない状況に対応しなければならない場合もある。そうした場合、前章の「キャラクターの行動規則」に従って判断し、動かすことになる。ただしここでひとつ注意すべき点がある。ＰＣが、自分が取るべき行動をＮＰＣに代行させようとしている場合だ。
前章の「ＮＰＣにゲームを壊させないために」とも重複する話になるが、原則として、ＰＣがすべき行動をＮＰＣが代行することは極力避けるべきとされる。ベテランの中には「なにもしないのが良いＮＰＣ」などと嘯くゲームマスターもいるくらいだ。そうした要請が行われた場合、何かしらの理由をつけて――どうしようもなければぶっちゃける等してでも――そうした事態は避けるようにする。これはゲームを公平に行うためのゲームマスターの心得のひとつと言える。
ただしプレイヤーの提案が合理的なもので拒否する理由がないと考えた場合や、Ｔ２型ゲームシステムのようにゲーム世界の合理性を優先するのであれば、時にはＮＰＣがＰＣの行動を代行することを認めても構わない。そうした場合、たとえば何らかの資源を交渉材料にする、という形でバランスをとる方法がある。判定などの危機管理ゲームを、資源管理ゲームに置き換えているわけだ。